日々買った本やゲームを紹介しています。
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2008-10-09 Thu 20:16
『ラザロ・ラザロ』が面白かったので、こちらも購入。 しかも「単行本か〜」とためらっていたら、『ラザロ・ラザロ』読了から一ヶ月もしないうちに文庫落ちしました。 私的にナイスタイミング! ありがとう早川書房! こちらは『ラザロ・ラザロ』と違った、日常人情短編ミステリ集です。 京成金町線というローカル線のホームに現れる、通称「ヨンバンセン」と呼ばれる老人。 ふらりとやってきては、易を立てることで地元ではもともと知られていたが、この老人から易を立てられたことにより飛行機事故を免れることができた会社員がマスコミに紹介したために、「ヨンバンセン」は全国区で有名な存在となってしまう。 しかし、本名も住所も、いつ駅にやってくるかも不明な「ヨンバンセン」。 この老人にラッキーにも易を立ててもらえた人物たちを巡るミステリーとなっています。 こう書くとまるでヨンバンセンがメイン人物のようですが、実は殆ど登場しません。 ヨンバンセン自身については顔見世として最初に描かれるだけで、本当の主人公は相沢章平というさえない地方出身大学生です。占って欲しいと思っていてもなかなか実現の難しいヨンバンセンに、章平はたびたび占ってもらえている稀有な存在。 そしてヨンバンセンに興味を持つ新宿の易学学院の関係者が、接触成功者である章平にヨンバンセンとのやり取りを取材し、ヨンバンセンの立てた易について解釈する…という形で話は進みます。 (つまり章平が狂言回しの役柄。) 霊能力者がいたり、易学解説を潜ませたファンタジー作品が収録されていたりと、全編ストイックなミステリではありませんが、易学とその解釈をミステリと結びつける…というアイディアそのものが斬新、と思いました。 それから主人公もそうですが、主人公が住むアパート住人の描写が何気に面白い。 貧乏学生の主人公は高齢者ばかりが住む古いアパートに住んでいるので、いろんな住人(=老人)と日々のやり取りがあるんですが、これがほのぼのしていていいです。 ネタとなる事件が結構シリアスなものの(議員汚職事件や、殺人事件)、こうした日常描写や章平のツッコミがいい緩和剤として効いています。 あ、あと巻末に易学者・福田有宵氏の易学解説(入門編)も収録されています。豆知識的で面白いです。 近く『駅神ふたたび』も刊行されますし、このシリーズ、しばらく追っかけてみたいと思います。 |
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2008-10-06 Mon 21:34
いくつかの書評コーナーで推薦されていて、気になった一冊。 フランツ・フェルディナンドというロックバンドがいることは知っていますが、曲を聴いたことはありません。 (著者のアレックス・カプラノスは、フランツ・フェルディナンドのボーカル&ギタリスト。) (管理人的にロックは食指が動かなくてですね…。) なので、アーティスト買いとは全く無縁な読書でした。 この本は、世界ツアーでいろんな国を駆け巡った間、ツアー食に飽き飽きして、果敢にもご当地料理に挑戦した経験を軽口エッセイとして連載した内容です。 といっても果敢だったのは著者のアレックスくらいな様子。 解説によると、アレックスのこの食への探究心には父方であるギリシャの血筋が影響しているのでは…とのこと。 (※下積み時代の話もあるので、全てがワールドツアー中の出来事ではありません。) 面白いのは、視点が非常にスタンダードでニュートラルなこと。 セレブの仲間入りかと思いきや、現地で食べているのが殆どB級グルメ。 ミシュランに載っているような店にも行きますが、それを有難がっている様子は微塵もないです。 アレックスにとって店の格付けなんか関係なく、「美味しいものは美味しい!」のスタンスが貫かれているのが気持ちいい。 採り上げる料理について「こんな風に調理して、こんなスパイスが隠し味になって〜」なんてグルメ漫画みたいな解説はないです。 「●●と××の取り合わせが最高!」といったごくごく普通な感想が述べられているに過ぎない…のに、とっても美味しそうでね。 食事自体そんなに興味ない私でも、「食ってみたい!」と思わせる求心力はなかなかのものでした。 それから感心した箇所は。 「サシミって綺麗」という感想。料理を視覚から楽しむことを知っているんだな…と。 あと、美味しかった料理は手放しで誉めながら、感心しなかった料理をもけなさない点。 特に食事中「この料理、美味しくない」というネガティブな意見を述べるのってマナー違反だと思う管理人としては、著者のさりげない心配りにちょっと感動しました。 (だって、アレックス自身はとっくに食べ終わっているけど、私たち読者にとってはエッセイを読む瞬間こそ食事中みたいなものだし。) 私自身が食べてみたいな〜と思った料理は、メルボルンの「豚の脇腹肉をサイコロ状に切ってオリーブオイルで煮たものに、りんごを甘くかりっと焼いたものと、対照的にクセのある味のぽろぽろとくずれるブルーチーズをつけあわせにした一皿」。 すんごいハイカロリーだけど、美味しそう! あとリスボンの「アゼイタゥン・チーズ」とザグレブの「プルシュト」。 特に前々からクロアチアには興味があったので、ますます行ってみたくなりました。 「食べる」ということは、生き物の基本欲求でもあるだけに、記憶との密着度が半端なく高い。 そんなことをしみじみ感じさせる良質エッセイ。 彼らの音も知らないのに、むやみにフランツ・フェルディナンドへの好感度が上がった一冊でした。 |
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2008-09-23 Tue 19:29
そんでもって、今年の誕生日プレゼントには、これを頂きました。 (あと、アイスクリーマーも。) 調べてみたら、手作りアイスクリームのレシピ集ってたくさん出版されているんですね。 結構驚きました。世の中にはそんなに沢山のアイス手作り派がいらっしゃるのか…。 この本の特徴は、材料に生クリームを使わないレシピが多いこと。 脂肪分は摂取したくない。でもアイスは食べたい! って人にうってつけかと。 基本アイスクリーマーを使用するのが前提になってますが、全工程手作業の場合もフォローされています。 ただし、この本の中で使用されているアイスクリーマーがデロンギ製なので、他のメーカー製品で全く同じようにできるのかは不明です。 (私の貰ったアイスクリーマーは貝印製なので、実践で確認してみたいと思います。) 写真もきれいで、見ているだけでも楽しいアイスクリーム本です。 こんな風に作れるように、が、頑張ってチャレンジしてみます、はい。 |
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2008-09-22 Mon 20:30
ずーーっと記事アップしていなかったのですが、実は去年の誕生日に、所属部署の皆様から誕生日祝いとして贈られた本です。 なんで妖怪事典かといいますと、私がかなりの妖怪スキーだからです。 でも最近は妖怪にノータッチだったので、こんな事典が出版されていたことをプレゼントされるまで知りませんでした。まったくもって勉強不足。 『妖怪事典』のタイトル通り、読み物ではなく、本当に事典です。 日本の文献に見られる妖怪を五十音順に並べ、また五つのグルーピング(物語に登場する妖怪、創作が明らかなもの、絵画や彫刻にのみ見受けられるもの、民間伝承に見られるもの、江戸時代までの文献があるもの)が行われています。 頭のア行から読んでいくと分かりますが、同じ妖怪を指しながら地域によって呼称が微妙に違う場合など、それら全てが記載されているので、「あ〜、ここからここまで同じ妖怪についてか」というようになります。ので、頭から読み物として読むタイプの本ではありません。 使い方としては、普通の辞書と同じく、「スネコスリってどこの地域の妖怪だっけ?」など、妖怪の名前が分かっていて、詳細を確認したい場合に検索する…といったところでしょうか。 これでもう少し挿絵が多ければ、眺めて楽しい妖怪事典になっていた気もします。 逆に、今個人的に心の底から欲しいのは、『逆引き・妖怪事典』です。 今回紹介した『妖怪事典』では、形状や特徴は分かっているのに妖怪の名前を失念してしまった…という場合、調べようがないんですよ。 職場のデスクの上に飾ってある妖怪フィギュアの一つがまさにその状態で、「…これなんだっけ…確かにゲゲゲの鬼太郎で出てきていた…あ〜名前が思いだせん!」と、胸がもやもやしていて落ち着きません。 誰か『逆引き・妖怪事典』作ってくれないかなぁ…。(切実) 「これ一冊あれば安心。安眠できます」と帯で水木しげる御大が太鼓判押していらっしゃる通り、妖怪スキーには必携の書かと思われます。 妖怪好きはとりあえず買え。その一言に尽きる本です。 |
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2008-09-14 Sun 18:12
高校生の頃から、名前だけは知っていた作家・図子慧。 たまたま本屋でこの文庫本を見かけ、ミステリ系だったこともあり挑戦してみました。 まぁ、正確なジャンルは、ミステリというよりメディカル・サスペンスでしたが。 民間の医療法人ルミネ研究所は、金持ちの患者相手のがん治療で驚異的な成果をあげていた。しかしある日不審火が出て、病院関係者五名が死亡。同時に研究所所長・倉石が治療記録とともに行方不明に。それを機にルミネ研究所は閉鎖された。 一年後、外資系製薬会社プライスケミカル社に、倉石と名乗る人物から取引を持ちかけるメールが送られてくる。 倉石からの提案内容は、『ルミネ研究所跡地にて、研究成果を五十億円で売り渡したい』というものだった。 プライスケミカル社の開発部課長・廣田は社から密命を受け、この交渉のセッティングと事前準備にあたることに。 しかしいざ動き出すと、行く先でやくざまがいの男たちに襲われ、また研究所関係者は行方不明に。 しかも斑猫やエンジェルと名乗る正体不明の人物が研究所周辺に出没し始める。 果たして交渉の行方は、そして、そもそも倉石の行っていた研究内容とは―――といった内容です。 元々この小説が刊行されたのが十年前なので(今回、十年ぶりに文庫化された)、医療事情は執筆当時と変わってきています。 がん治療をめぐり、倉石は遺伝子組み換え技術を活用したある治療法を見出した。そしてそれを口コミで知ったがん患者が藁にもすがる思いでルミネ研究所に入院してくる。倉石は彼らを実験体とすることで臨床例を集め、また研究所も違法診療と知りながら莫大な利益を生むこの治療を秘密裏に行っていた…という後ろ暗い事情から物語は始まります。 主人公・廣田は最初、このどう転んでも使い捨てにされそうな業務命令に難色を示しますが、野心家でもあるので、腐れ縁の高校時代の後輩・宮城とともに仕事に取り掛かります。 そうして研究所を調べるうちに、正体不明の青年の死体や、研究所地下の実験室を見つけ、また自称管理人の斑猫という青年や、ルミネ研究所出火の際入院していた為行方不明になった政治家・向田大蔵の妻だと名乗るエンジェルという女と知り合います。 新薬開発にまつわる特許や利権問題、ライバル会社とのしのぎ、研究所跡地を狙う不動産ブローカーの介入、外資系企業ならではのアメリカ本社と日本支社のパワーゲームなどなど、プロットは複雑に錯綜し、展開は二転三転、最後までどう話が落ち着くのか先が読めません。 よくもまあ、これだけの要素を持ち込んで纏め上げたと感嘆してしまいました。 それにしても、最初の出版社のオーダーは「耽美物」だったそうですけれど、どこをどう切ってみても耽美じゃないですよ、これ。 かろうじてその匂いを感じるのは、廣田とアメリカ本社重役・フェアフィールドの肉体関係エピソードくらいじゃ…。 また、解説の大森氏が「廣田と宮城のバディでシリーズ物にも発展させられる」的な事を書かれていましたが、そこまでこの二人が密にバディとして活躍できていたかと言われると、首を傾げざるを得ない感じ。 美貌の主人公・廣田を描くのにかなりのウェイトを置いていたので、宮城とのからみまでは図子氏の手が回っていないのでは…。仮に、この二人が主人公の続編が出ればその辺りも変わるのでしょうが。 むしろ廣田と専務・岩崎のやり取りのほうが活き活きしていたよ…。 結構な厚みのある文庫本ですが、読み始めるとあっという間に引き込まれてノンストップで読了です。 バリバリ社会派のメディカル・サスペンスではありませんが、毛色の違う力作をお求めの方には大いにお勧めします。 他、雑感。 ・この話の肝は斑猫とエンジェルの正体だな、と中盤になってやっと気づきました。 ・その斑猫の正体には早々に気づけたのに、エンジェルは最後まで分からなかった…。 ・というか、エンジェルの正体にド吃驚。でもわかれば納得できる謎がいくつもある。 ・それにしたって、エンジェルって…。名づけた廣田のセンスを疑う…。 ・そしてあれだけ描写があるにもかかわらず、廣田の人物像が最後までつかめなかった。超絶美形だってのはわかったけど…あとナルシストだってのも。でもなぁ…。 ・逆に宮城は掴みやすいかと。普段は仕舞いこまれている暴力性とか、匂わせながら最後まで説明のなかった描写が気にかかる。 ・宮城、燃費悪すぎ。 ・一番キャラが立ってるのって、実は専務の岩崎なんじゃね? ・あと蓉子の死の真相がわからないのがちょっと残念。 ・斑猫の地球二周の努力の結果があれでは、切ない。 ・暴行死だったのに、青年の死体は綺麗だったよね。なんで? ・賭けてもいい。廣田とつかさはすぐに破局する。 |
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